わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』のスウィンギングロンドンにワクワク!

2019年の新春、1月5日〜渋谷Bunkamuraのル・シネマで公開される映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』のチラシにコメントを、そして劇場用パンフレットに原稿を書かせていただきました!




試写状をもらってすぐに観に行き、興奮しまくった映画。
自分が宣伝に一役買ったことを差し引いても「絶対観て!」と会う人ごとにお勧めしたくなる映画です。

監督は1962年生まれのデイヴィッド・バッティ。
英国を代表する俳優、マイケル・ケインのナビゲートによって、当時の音楽をバックに、スピーディに映しだされる60年代ロンドンの貴重な映像の数々に、憧れの時代にタイムトリップした気分になれること間違いなし!


映画のポスタービジュアルとなっているマイケル・ケインの写真は、デイヴィッド・ベイリー、テレンス・ドノヴァンと並んで、この時代の英国を代表するカメラマン(ブライアン)ダフィが撮ったもの。以下のサイトでそのベタ焼きを見ることができます。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/sgspires68.wordpress.com/2017/01/31/iconic-michael-caine-photos-by-brian-duffy/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQGCAEoAVgB


デイヴィッド・ベイリーは、映画『欲望』のモデルにもなり、カトリーヌ・ドヌーブと結婚したことでも話題になり、時代の寵児であった写真家ですが、まさにそのイケイケ当時、彼がスタジオ撮影している姿を見れたことにも興奮しました。

私がスタイリストとして駆け出しだった70年代、一緒に仕事をしてきたファッションカメラマンたちから、憧れの存在として、デイヴィッド・ベイリーの話題はよくでていて、みんなが影響を受けていたことを思い出しました。
デヴィッド・ベイリー。現在80歳。2017年には日本でも写真展も開催し、健在なことが嬉しいです。


そして、この映画で会えるのは、
ザ・ビートルズ、ザ・ローリングストーンズ、ザ・フーの当時の姿。
髪を赤くする前の長髪のデヴィッド・ボウイ。モッズ!

さらに、60年代のファッションアイコン、ツィギー!マリアンヌ・フェイスフル!
当時の最高にキュートな姿の映像を見ながら、今の彼女たちが当時を振り返って語る「あの頃」。最高に贅沢でセンスがいい編集も感涙もの!

その少し前までは、オートクチュールが主流で、パリが拠点だったファッション業界において、ミニスカートによって世界的ブームを巻き起こしたメアリー・クワント!
そして、カラーで巻いてセットするハリウッド的な髪形がビューティとされていた時代に、カットによる髪型革命を起こしたヴィダル・サスーン


伝統に縛られていた英国において、労働者階級の若者たちが音楽、ファッション、アートという手段を使って起こした革命の凄さを深く知ることのできるこの映画は、「今」という時代を知るためにも必見です!


劇場窓口でチケットをお買い求めの方には、この素敵なデザインのトートバッグもプレゼントされるそうです(ただし数量限定)。

パンフレットもご購入下さいね!

※『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』予告編↓
https://mygeneration-movie.jp/


そして、物事はシンクロするものです。

『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』を試写で観たその3日後、この日は、昼間に話題の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観て(公開初日に観て、この日は2回目)、映画全編への感動はもちろんのこと、スウィンギングロンドンの香りが残る1970年ロンドンの「BIBA」の店内の再現にも興奮したのですが、見終わったあと、その足で、原宿のBOOK MARCで開催の立木義浩さんの写真展『舌出し天使』のレセプションに向かいました。

60年代〜70年代にかけての立木義浩さんが、そのルックスのカッコよさも含めて、日本でもっとも有名な人気のカメラマンであったことは、今更語ることもないでしょうが、「舌出し天使」は、立木さん27歳のときの作品。1965年の『カメラ毎日』のグラビアに掲載されたものでした(私が知ったのは80年代になってから。男友達が大事にもっていた『カメラ毎日』を見せてもらって知りました)。
それが半世紀以上の年月を経て初めて、ピンクの美しい装丁の一冊にまとめられたのです!

発表された当時、その構図のスタイリッシュな大胆さがフレッシュだった「舌出し天使」が、日本国内で撮影されたにも関わらず、まさしくスウィンギングロンドンのおしゃれさたっぷりだったことに改めて新鮮な驚きをもって眺めました。



モデルの髪型はまさにサスーンカット。ツィギーの影響も受けていたと思えるこの髪型が、1965年当時、如何にオシャレの先端をいってたかにも思いを馳せました。

立木義浩、27歳の、フレッシュでありながらも完成された才能にも改めて驚愕!

この日から数週間後、立木義浩事務所から郵便が届きました。?と思って封筒を開けたら、感謝感激!
会場で写真集を買ったときの、立木さんと私のツーショットでした!
写真には、エンボスのスタンプも押してありました。


思えば、写真をデータでいただくことはあっても、プリントで頂戴することはまずない昨今。立木さんのサインにあった「写心気」がこういうところにもあるのを感じました。
スウィンギングロンドンの時代がまさに、マイ・ジェネレーションだった立木さん。81歳とは思えない、若々しい立木さんとのツーショット、写真集に挟んで一生の宝物にします!


舌出し天使

舌出し天使


パンフレットへの原稿を書き送ったあと、マリー・クヮント(映画ではメアリー・クヮント)の自伝を読みました。面白い!
2018、今年の読書納めはこの本となりました。


2019年4月〜ロンドンのV&Aでは「マリー・クヮント展」が開催されるようです!
行きたいな〜
https://www.duffyarchive.com/


「時代」を知ってゆくことは面白い!
知れば知るほど、自分の中で点だったことが、点と点が繋がって深い線の知識となってゆくことにワクワクします。

2019、来年のテーマは「温故知新」とすることにしました!