わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

7月5日(金)中村のん×宮沢章夫トークイベント@銀座蔦屋書店

「ファッションの街、原宿が誕生した時代、70年代とサブカルチャー」というテーマで劇作家の宮沢章夫さんと、銀座蔦屋書店でトークさせていただいてから早一週間経ってからの投稿です。

 

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この告知は『70s 原宿 原風景』の筆者の一人でもあるクールスの大久保喜市さんが作ってくださいました。

当日にならないとわからない来場者数でしたが、おかげさまで定員の50人以上の方がいらして立ち見もでるくらいでした。

実は銀座蔦屋書店さんからは、5月に出版する前からトークイベントのお話をいただいていたのですが、トークのお相手が決まらないままズルズル時間だけが過ぎていっていました。

ある日、宮沢章夫さんがナビゲーターを務められたNHK Eテレの「ニッポン戦後サブカルチャー史」のシリーズ10回分のアーカイブを改めて観ていたら(この番組は放送された2014年の時点で既に見てはいたのですが)宮沢さんのお話に引き込まれ、前にも読んでいた同タイトルの本を本棚から取り出して再読したら、ますます興味を引かれ、思い切って宮沢さんに、トークのお相手をお願いするメールをお送りしていまいました。

 

一面識もない宮沢さんでしたが、既に私の作った写真集『70’HARAJUKU』もお持ちだということで、快く引き受けてくださり、初めてお話するのはトークイベント会場でという流れになりました。

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後ろの写真は、野上眞宏さん撮影の表参道レオン前の写真(『70’ HARAJUKU』(小学館

登壇した途端、お客さんたちを前に飄々とした口ぶりで「今日は殴り合いになるかもしれませんよ(笑)」と話し出した宮沢さんに客席もいきなり大笑い。

いきなりの変化球に、なんとなく頭の中に描いていた流れがぶっ飛び、そのあとも宮沢さんから投げられる変化球をなんとか受け止めたり、どこに飛んでくかわからない話題を軌道修正したりと、とても刺激的なトークになりました。

トークが始まった最初から最後まで大笑いする声が客席のあちこちから聞こえてきて、ハイスツールから見えるお客さんたちの表情は終始笑顔で、

「70年代は身体性の時代だったが、70年代の終わりから始まる80年代は記号化の時代だった」といったアカデミックな考察を述べながら、その中に突然、笑いの場を織り込んだり、嘘かホントはわからない面白ネタで惑わせたり、さすが「鬼才の劇作家」と言われるだけのことはある宮沢さんでした!

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後ろの写真は、石川武志さん撮影のセントラルアパート内のユージン・スミスとアイリーン・スミス

終わってから何人もの人たちから「いや~、いいコンビだった!」とか「ピッタリなコンビでしたね」等々言われたけど、ちゃんとお話したの初めてだし、コンビ組んだ覚えはないんですけど(笑)でも、みなさんに楽しんでもらえて嬉しかったです。

すべてインテリでありつつユーモアのセンス抜群の宮沢さんのおかげと感謝いっぱい!

70年代をまったく知らない世代の人たちが興味をもって来てくれたのも嬉しかったです。

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女優デビューしたばかりの二十歳のMioちゃん

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『ギャルとギャル男の文化人類学』(新潮新書)で、90年代の渋谷センター街の若者たちの風俗について書かれた荒井悠介さん。

たくさんの方たちが本を購入して下さり、サイン会の最後まで残ってくれた友人たち(男性4人)と銀座ライオンに行って、トークイベントの続きのような話ができたのもとても楽しかったです!

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右から『70s 原宿 原風景』編集DU BOOKSの稲葉さん、『70’ HARAJUKU』編集の尾崎さん、今回の本のエッセイの筆者の一人でもあるコピーライターの井上伸夫さん、私が宮沢さんの番組のアーカイブを観るきっかけを作ってくださったデザイナーの市川さん。全員が、この人がいたからこそ、本ができた、宮沢さんとのトークイベントができたと言える、大事な人たち。本当にありがとうございました!