わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

祈りが通じた日

10年前、作詞家の松本隆さんから
「僕の詞を唄って欲しい、素晴らしい声の歌手を見つけたよ。無名の、40代なんだ」と、松本隆プロデュースで、メジャーデビューすることになった女性を紹介され、そして、衣装を頼まれた。
それが、クミコ。


以来、世田谷パブリックシアターや、サントリーホール等々での、ステージ衣装や、CDジャケットやポスターなどの衣装を手がけてきた。
プライベートでも仲がいい。
そのクミコさんが、今年の紅白に出場することが決定したと、今日、公式発表があった。
なので、これを祝して、再度、今年の春に撮影した『祈り』のジャケットをアップします。


写真では少ししか見えないけど、ミッドナイトブルーの地に、天使が飛んでるプリントの、ジェーン・マープルのワンピースを着ています。

『祈り』は、平和を願う人々の心を打つ、深いテーマの曲なので、
「大ヒット間違いないのでは。紅白出場も、夢じゃないかもよ」
なんて、撮影現場で、スタッフの間で冗談半分に言い合っていたのだけれど、まさに、みんなの祈りが通じたような朗報に心が躍る。

メジャーデビュー時、45歳。
そのとき、まったくの無名だったクミコさん。10年を経て、56歳にして、紅白初出場!
もちろん、いちばん大きいのは、本人の才能と努力。
そして、まわりのサポート。
でも、この曲が、多くの人に届きますようにと、みんなで祈った力も大きかったからと、そう思える出来事でした。

おめでとう!クミコさん。