わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

時代の映し鏡ー山口はるみの世界展

3月8日、渋谷西武デパートで開催されている「時代の映し鏡ー山口はるみの世界展」に行ってきました。

70年代、公園坂を登りきったところにある桑沢デザイン研究所の学生だった私にとって、渋谷パルコは、時代の先端をいく、ワクワクするファッションビルであったと同時に、自分ちの庭のようにも思える存在でした。そのパルコを彩るはるみさんの描くポスターは、デザインを学ぶ学生達にとって、ものすごく刺激的なアートであり、そして、女子たちにとっての、はるみさんは「時代を担う女性」として、その生き方自体が憧れの対象にもなっていました。

会場入り口にドカーンと、当時のはるみさんが。


「時代と個性とクライアント(そしてその陰には数多くのプロデューサーやアートディレクター、フォトグラファーやコピーライターがいる)との、希有なそして幸福な出会い。わたしはもういちど、七〇年代を戦後日本の広告の、いや世界的に見ても、空前絶後の黄金期だった、と思い返す。商業美術が「商品」という指示対象の制約をはなれて、自由にその創造力を羽ばたかせた時代。広告の担い手たちがスポンサーの下僕ではなく、「クリエーター」として「作品」にその名を刻んだ時代。もう少し早く生まれても、もう少しおそく生まれても、わたしたちの知っている「山口はるみ」は誕生しなかったに違いない。」(会場に展示された上野千鶴子さんの言葉から)



渋谷西武ウィンドーは、はるみさんの絵と山本耀司さんの服とのコラボ。


B館1階の柱も、はるみさんの絵。

A館とB館を繋ぐ通路。

会場内のインスタレーション。大画面が、本をめくるように、はるみさんの絵を次々に映し出しています。

「新しい女性の生き方」なんて言葉や、ファッションにドキドキしていた頃、目にしていた作品がいっぱいで、個人的な思い出も色々蘇ってきて、胸がいっぱいになりました。

こんなパワフルな絵を描くパワーは、この人のいったい何処から?と思わず言いたくなってしまう、可愛くて、たおやかなはるみさん。

私の好きな絵の前で、はるみさんと記念写真。幸せ!
二十歳の頃の自分に自慢したい!

トムズボックスのオーナーであり、絵本編集者の土井章史さんもいらしてて、土井さんとのツーショットも。「わー、うれしいな」と土井さん。


時代の映し鏡ー山口はるみの世界展
3月3日〜14日(月)西武渋谷店:A館7階 特設会場 入場無料