わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

初炊きだし @宮城県石巻市 牡鹿半島 小淵浜

長年の友人、石原左知子さんと、ご主人のトクさんがメインとなって、震災直後から行っている石巻市、小淵浜への支援活動。今回の炊きだしに初参加させていただきました。http://gris7noir.exblog.jp/

18日の夜中に出発して片道8時間。今回の参加メンバーは30人でした。


被災地に行くことに対して、「一度は行って、実際をこの目で見ておくべき」という気持ちと、躊躇する気持ちが、この三ヶ月間、自分の中でせめぎ合っていました。
躊躇する理由の元は、「生半可な気持ちで行ってはいけない」と、「こんな私が行って、役に立つことがあるんだろうか…」という気持ち。
現地に向かう車の中でも、「少しでも被災地の人たちのお役に立とう」よりも、「せめて、メンバーの動きの足を引っ張らないようにしよう」といった種類の緊張のほうが先行していたのが、正直なところでした。


ですが、20日の早朝に帰ってきてからの今の私は、
本当に行って良かった!
と、素直に言えるし、
震災から100日も経ってからの、初めての参加で、エラソーなことが言える立場じゃないことを重々わかりつつも、
この時代、日本に生きているからには、誰もが、何らかの形で、一度は被災地に足を運んで、自分の目で実際を見て、五感を通して、感じられることをすべて感じて、被災地の人々と言葉を交わしてみたほうがいい。
と言いたい気持ちにもなっています。


行き帰りの時間を入れて、たった30時間弱の経験。
でも、この時間の中で受け取ったものは、あまりにも深く、大きく、ここに書ききれることではありません。あらゆる気持ちが交錯している今は、言葉や文章をまとめることもできないでいます。
デジカメを持参した私でしたが、余裕がなかったせいもあるけど、現地に赴いたカメラマンの人たちが「シャッターを押すことができなかった」と言って、写真を撮らずに帰ってきた、その気持ちが、ほんの少し、わかる気持ちにもなりました。


ですが、行く前と、行ったあとの、気持ちの、そして、自分の立ち位置の、もっとも大きな違いは、
「また行きたい」と、声を大にして言えることです。
帰宅して、一番に送ったメールは、サチさん宛てに
「こんな私でよければ、また、次回も、参加させてください!」でした。
「こんな私が…」という気持ちは今でもあるけれど、一点の曇りもない気持ちで堂々と、「また参加したい」という気持ちになれた一歩は、大股で、思い切って河を超えてみたような感じの一歩です。
次回は、サチさん率いる「石原軍団」の炊きだしの、メニューの素晴らしさや、さすが、サチさん!の、テーブルセッティングのセンスの良さや、小淵浜の人々の笑顔の写真もアップしたいと思っています。
炊きだしの様子に感動しながらも、「一枚も撮れなかった」ことも、自分にとっての、ひとつのプロセスなんだと思っています。

一緒に行ったメンバー、中目黒のゴハンやさん「ことこと」のオーナー、佐藤ひろみさんのブログ「ことことのなにげない日々の事、、」を、併せてお読みください。

http://yuhi124.exblog.jp/16496876/