わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

やっぱり言います。。。新年あけましておめでとうございます。

昨年(といっても数日前ですが)の私は、「おめでとうございます」と言うのに、ためらう気持ちがどうしてもあって、暮れになっても年賀状を1枚も書かないまま新年を迎えてしまいました。
喜びをもって迎える気持ちがあろうとなかろうと、新年はやってくる。
おまけに、大晦日には、新年を日本で迎えることを楽しみに、シドニーから妹もやってきました。
15年振り?20年振りくらい?ともかく、長らく南半球のお正月しか味わってこなかった妹は、お節をはじめとする日本のお正月に大はしゃぎ。
そんな妹を案内する気分で、元旦は五つの神社をハシゴ参拝することになりました。

例年は節分前に参拝している早稲田の穴八幡、元旦に行ったのは今年が初めて。一陽来復のお札を買う人々は、やはり長蛇の列でした。

15年以上お世話になっているこのお札は、1年間、無事過ごせたことへの感謝を込めながら、例年通り、節分に張り替えます。


神楽坂に移動して行ったのは赤城神社。モダンな趣に「へえ〜〜、同じ神社でも、色々なんだね〜」と感動する妹は、今や、カンペキ外国人目線。


そして、神楽坂の名所、毘沙門天こと、善国寺へ。
別れた元夫は、そういえば神楽坂育ちだったのでしたー。


神楽坂の商店街を散策しながら(妹、初神楽坂に大興奮!)東京大神宮へ向かったものの、参拝客の列の長さに唖然。
しかも「縁結びの神様」として有名なだけに、いるのは若い男女ばかり。
45分待ちと聞いてビビり、それに寒いし、「ど、どうする?」と言い合いながら、でも「関東のお伊勢さん」ということにこだわりの強い私たち、「おばさんなんか他に一人もいないじゃん」と、肩身の狭い気分を抱えつつも、列に並ぶことにしました。

実はここはその昔、私が白無垢で結婚式を挙げた神社。
おーい、並んでる若者たちー、縁結びのパワースポットで永遠を誓っても、別れることもあるんだよー!なんて、大声で言いたかったけど(笑)

それでもやっぱり、さすが、関東のお伊勢さんとして建てられた神社。敷居をまたぐと、「恋愛願望満々」な若い男女がひしめいていようが、ここには神聖な特別な気が満ちていたのでした。

二礼二拍手した途端、自然と「すみませんでした」と言ってしまった私でした。思えば、この神社に来たのは結婚式以来。離婚の報告もしていなかったのでした。
今年の伊勢神宮は20年に一度の式年遷宮の年。ふわさしい年にお参りできてよかったです。



最後に向かったのは靖国神社。もう八時を回っていました。
いつ見ても圧倒される鳥居。

昼間は賑わっていたことでしょうが、この時間になるとほとんどの出店は店じまいしていて、参拝客もまばらでした。

靖国に立つとどうしても個人の願いを超えて、この国の歴史への思いがわき起こります。そして国を思って祈りたい気持ちに自然となります。
二度と同じ過ちを犯してはならないと思うと同時に、過った方向に行かないように、政治の動きにも目を凝らしてゆきたいと強く思ったのでした。

五つの神社を回り終わって「日本って、やっぱり凄い凄い」と高揚している妹がさらにこう言いました。
「こんな都心にも八百万の神がこんなにいっぱいいて、日本ってやっぱり凄く守られてる国なんだと思う。それに年に一度とはいえ、若い人たちもこんなに大勢、その神様に手を合わせに出かけるわけで、昔とずいぶん変わったといっても、この風習はずっと変わらず続いてて、やっぱり、日本って凄い凄い」

3.11以降の私は、日本に住みながら、憤ること、絶望的な気持ちになること、許せないと思うこと、多々あるけど、
願い事をしたり、謝ったり(笑)、お礼を言ったり、祈ったりしているうちに、
ともかく家族が健康で、笑顔で新年を迎えられてることが有り難く、そして、平凡でいられてる、そのこと自体がめでたいことなんだ、そんな気持ちになってきました。

だから言います。躊躇なく。

あけましておめでとうございます。
そして、今年もよろしくお願いいたします。