わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

デヴィッド・ボウイ ニューアルバム『The Next Day』 ボウイ!ボウイ!ボウイな日々

長らく沈黙していたデヴィッド・ボウイが、3月13日に10年ぶりのアルバム『The Next Day』をリリースして、世界的に大きな話題になっています。

The Next Day

The Next Day

発売前からituneで配信され、もちろん試聴してはいましたが、一刻でも早くCDを手に入れたくて、前日の昼間、代官山蔦谷書店の音楽コーナーに駆けつけ、まだ店頭に並ぶ前のCDを倉庫から出して来て貰ってゲットしました!

私が買ったのはボーナストラック4曲入りの、完全生産限定版のほう。

夕方また行ったときには、既に店頭にきれいにディスプレイされていました。

3月13日付の朝日新聞の夕刊では、一面全部使った大きさの広告が掲載されました。
ユーミンじゃない、ミスチルでもない、66歳の海外アーティストのアルバムのためのこの派手な広告!あらためて日本においてのボウイの人気の高さ、彼のニューアルバムの存在の大きさ、注目度について感じ入ります。

この広告のタイトルとなっている「出火吐暴威」は、わかる人にはわかる、1973年に、山本寛斎さんがボウイのためにデザインしたマントに描かれていた文字なのです。



3月末からはロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館でボウイの回顧展が始まります。前売り入場券が、売り出して数日で3万枚売れたそう。
ロンドン在住の友人、ファッションデザイナーの藭戸真知子さんが、この回顧展の図録をボウイファンの私のためにわざわざロンドンから送ってくださいました!
もうもう、嬉しいのなんのって!包みを開けて大興奮してしまいました!

分厚いページの中には子供時代から始まる、ボウイの貴重な写真が満載!
そして、ロックスターとしてだけでなく、ファッションアイコンとしても、40年以上にわたって揺るぎない地位に君臨しているボウイならではの衣装の数々、そのディテールの写真もたくさん掲載されていて、ファッションブックとしても貴重な作りが嬉しい!
圧巻はやっぱり、70年代に、寛斎さんが作られた衣装です。


黄色いスーツ姿の、この写真が表紙になっている、というだけの理由で、数年前に、3千円以上する男性のファッション本を買ってしまった私でした。
スタイリッシュなスタイルも素敵に着こなすボウイです。



私が高校生の頃、時は70年代初め、ロックスターたちのファッションといえば、ヒッピー系が主流だったところに、まさに突然、彗星の如く現れたボウイ。ユニセックスどころか、見たことのないしなやかな動物のような、あるいは、遠い星からやってきた美しい宇宙人のような、そのミステリアスな存在感。
一度も目にしたことのないファッション、聴いたことのないグラムロックの音とその声に衝撃を受け、すっかり魅了された私でした。



そして、ファッション雑誌の連載エッセイで、「高橋靖子」という人が、ボウイのスタイリストをやったことを知り、「日本人女性が!?」と、そのことにも衝撃を受け、ヤッコさんこと高橋靖子さんに思わず手紙を書いた十代の私でした。
ヤッコさんに魅力を感じたのは、そのことだけではなかったけれど、もしもボウイの存在がなければ、今も仲良しな関係として続いている、このヤッコさんとの貴重な縁もなかったのかもと、ふと思ったりもします。
これは、80年代に入ってからのヤッコさんとボウイの素敵なツーショット。鋤田正義さんが撮られたものです。



今回の『The Next Day』のジャケットには、1978年に鋤田さんが撮られた『HEROES』のジャケットの写真が再び使われています。このときの撮影には、ヤッコさんのアシスタントとして、私も立ち会いました。

私がボウイの存在を知って、ファンになったのは、1973年頃でしたが、まさか、その5年後に、ボウイの撮影現場に立ち会うことになろうとは、想像どころか、夢にさえみないことでした。このとき、ボウイにもらったサインは、今でもつねに、すぐ取り出せるところに置いている一生の宝物です!



藭戸真知子さんは、回顧展の図録と一緒に、ボウイが特集されているイギリスの雑誌も送ってくださいました。ボウイに関する宝物が増える増える、うれしい!



そして、アルバム発売日の翌日である14日から、銀座ソニービルのパブカーディナルでは「DAVID BOWIE CAFE」が始まり、夜はヤッコさんと鋤田さんのトークショーが開催されました。左にいるのは日本語の訳詞をされた熊谷朋哉さん。
鋤田さん、ヤッコさんが仕事で関わったボウイについて、そして、お二人が見た素顔のボウイの魅力についてなど、貴重なお話がいっぱい!
熊谷さんが語られた「ボウイの詞」についてのお話もとても興味深く、思わず身を乗り出して聴いてしまいました。

トークショーの模様は、youtubeにも公開されました!↓
http://www.youtube.com/watch?v=2OxgTg1d968

パブカーディナルの店内には、ボウイのアルバムジャケットをはじめ、数々の写真が飾られ、マガジンラックにはボウイを特集した雑誌が並べられていました。



トークショーに、藭戸真知子さん(Machiko Jinto)デザインのTシャツを着て、バッグを持って参加した私です。手に持ってるのは、メニューですが、裏が今回のアルバムジャケットのデザインになってます。そして、コースターもジャケットデザインだったのでした。

今日のブログはついつい長くなってしまいました!(本当はもっともっと書きたいくらい。これでも必死で短くまとめたつもり。笑)
ともかく、昨年夏に開催された鋤田さんの写真展のときと同様に、
ボウイ、ボウイ、ボウイまみれになっているここ数日です。
とっても、幸せです。
ボウイが素敵なアルバムを出してくれたことに感謝!
しかも、期待を裏切らないどころか、おー、そう来たか!さすがボウイ!な、今の時代感たっぷりな、深く心に届くアルバムを。

ボウイな日々は、個人的に、まだまだしばらく続きそうです(笑)

回顧展と並行して、ロンドンでは鋤田さんのボウイの写真展も、ギャラリーで開催されます。↓