わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

「温故知新」でやってゆきたい2015

今年になって早くも10日が過ぎてしまいました。
七草もがゆ食べたし、もう「あけましておめでとうございます」のご挨拶でもない感じですね。
昨年の11月に初にイベント「70's 原風景 原宿」を主催したことで、年が明けても「温故知新」の気分が高まってるままの私の今年初の外出は、3日の築地本願寺への参拝と、銀座で開催されていた「ディオール展」を観に行くことでした。

我が家が浄土真宗なので、親鸞聖人へのご挨拶という意味もあるけど、職人の技が見事な、和洋折衷の美を誇る伝統ある建物を無性に目にしたい気持ちになったのでした。



ホテルオークラの美しい建物も高層化のために取り壊されてしまう今年。
二度と作れないであろう美しき建物を愛で、それを作った人たちの気持ちに思いをはせたい、そんな気持ちも高まっている気がします。

そして、築地から徒歩で移動した銀座で観たディオール展。
翌日が最終日ということで人が大勢詰めかけていたけれど、「人」を感じさせない展示の仕方と、いる人たちのマナーの良さにまずは感動しました。そして、入場料無料なだけでなく、撮影フリーなところにも。

ぺプラムがこれ以上美しい服はないといえるディオールの代表的な作品「バードレス」から。
ディオールが最初は建築家を目指していたということは、今回初めて知りましたが、ものすごく納得しました。


こちらも完璧に構築されたシルエット。



香水瓶に細工を施す様子をリアルに見ることができるコーナーでは、職人の手先の美しさに大勢の人が見入っていました。



日本古来の美をリスペクトしていたディオールによる「ジャポン」。これもまさに和洋折衷の美の賜物です。



早い、安い、新しい、も、場合によっては大事な要素だけど、
効率や経済性にばかりに重きを置く文化は世の中を薄っぺらくすると思います。

先人たちが時間と手間をかけて築いてきた美や文化を知り、尊敬し、目にしながら「今」を生きる。
「温故知新」、今年もその気持ちでやってゆきたいと思う年のはじめでした。