ありがとう!さようなら。文化屋雑貨店
私が桑沢デザイン研究所に入学した頃、学校のすぐ近所のファイアー通りにオープンしたばかりの文化屋雑貨店には、昼休み、放課後と、毎日のように喜々として通ったものでした。
まさに温故知新の価値観の雑貨の面白さを最初に教えてくれたのは文化屋の品揃えで、チープシックの楽しさという点でも、文化屋から受けた影響は計り知れない。
その文化屋が今日、1月15日に40年間の幕を閉じます。
11月に私がやったイベントのトークにも出演してくださった長谷川義太郎さんへのご挨拶も兼ねて、13日に伺いました。
「このあとのこと?何も考えてないの。先の予定が何もないところで、スパーッと辞めるほうが潔いでしょ。でもまた何かやると思う。やるときには絶対面白いことをやるけどね。今?ぜーんぜん寂しくないよ。明後日になったら空っぽ。気持ちいいよ」
これは私がちょうど行った日の東京新聞の朝刊に掲載された文化屋の記事です。「買いに行ったらもうなかった」と言った私に、お店の人がプレゼントしてくれました。
11月のトークに出演された時点で、まさかその2か月後に文化屋が終わることになるなんて、想像すらしていませんでした。
思えば、タイムリーな時期にお願いしたのだと振り返って思います。
長谷川さん×ヤッコさん×私の三人でしたトーク。
このとき長谷川さんが仰ってた貴重な言葉を、いつか本にまとめられたらいいなと思っています。
トークのあとのパーティには、長谷川さんと古くから親しくしてきた人たちも参加しました。長谷川さんの周りには、いつも大笑いがあふれます。
70年代からのヘビーデューティのカリスマショップ「スポーツトレイン」のオーナー、油井昌由樹さんもお忙しい中、駆けつけて下さいました。
私がよく行く中目黒の「ことこと」はこのパーティのお料理担当でした。ことことのひろみちゃんと、ひろみちゃんの高校からの同級生の純子さんも、高校のころから文化屋の大ファンだったと、長谷川さんとここで会えたことに大感激していました。
長谷川さんをはじめ、長谷川さんと同級だったイベント参加カメラマンの染吾郎さん、そしてたまたま会場にいたムサ美卒で揃って撮った記念写真。
昨日、文化屋に行ったヤッコさんが、昨日が誕生日だった私のために、文化屋でも3個しか作らなかったという希少な土瓶を買って下さり、宅急便で送って下さいました。
学生の頃、ヤッコさんに「学校の側にできたばかりの文化屋」を教えたのは私。
そして今、文化屋が閉まる日にヤッコっさんから送られてきた貴重な土瓶。
「今日でなくなる文化屋」を思いながら、「人から人へ」の思いの歴史の象徴のようにも思えて、嬉しいながらもジーンとしました。大事にします。
長谷川さん、文化屋を支えてきた皆さん、40年間、本当にお疲れ様でした!そして、ありがとうございました!
11月に発売された長谷川さんの著書、過激ながらも深い言葉の詰まったこちらもお勧めです!
- 作者: 長谷川義太郎
- 出版社/メーカー: 文化出版局
- 発売日: 2014/10/31
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13日に文化屋に行った帰り、私の「原宿」に関してもっとも思い出深い場所に立ち寄りました。
18歳からバイトでヤッコさんのアシスタントになった頃から、毎日通っていたヤッコさんの住まいがあった「静雲アパート」。原宿がどんどん変ってゆく中で、このアパートが色も同じなまま、ここにいてくれることに、なんだか「ありがとう」と言いたいような嬉しい気持になりました。