わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

『GINZA』の70年代特集に感動!

3月12日発売の『GINZA』(マガジンハウス)のテーマは「1970年代の風に吹かれて」

この号のために私も取材され、「ファッション雑誌がリードしたファッションの時代」というページで(P240〜)解説者として登場させていただきました。
私のイベントの写真展に展示した、横木安良夫さん、染吾郎さん、東京中央教会の写真も提供させていただきました。

他の解説者として1970年のアンアン創刊当時からスタイリストとして関わってらした寺田邦子さんも。
(寺田さんは11月に私がやった「70'S 原宿」のイベントでは、文化屋の長谷川義太郎さんのトークに遊びにきて下さいました)
私がまだ中学生のとき憧れて見ていたページを作ってらした寺田さんと並べたことに感激!
ちなみに寺田さんのコーナーのタイトルは「アンアンの実態」、私のコーナーは「読者から見た70年代ファッション誌」。十代のときのワクワクを思い出しながらコメントしました。

最近のファッション誌は、正直いって広告ばかりだったり、カタログみたいだったり、ペラペラな印象だったりで、(年のせいもあるでしょうが)昔、雑誌に感じてたワクワク感を感じることができない私ですが、この号には、久しぶりに本気のワクワク感を覚えました(年のせいじゃなかったんだ!)。

見応えと同時に、昔、雑誌に感じていた読み応えも感じることができました。

「『チープシック』訳者 片岡義男さん、70年代ってどんな時代でした?」
では、さすが片岡義男さん!の文章を何度も読み返してしまいました。

「日本がもっとも豊かだったのが1977年ではなかったか、といまの僕は思う。(略)なによりも豊かだったのは、主として若い世代の人たちの感覚的な視線が、外に向けて、その当時としてはおそらく限度いっぱいに、開かれていた状態だったことだ。視線が外に向けて開かれていたとは、生きていく日々のぜんたいとそのあらゆる部分にかかわる、これまでのここにはない、なにか新しい価値観を、真剣に希求していた、という意味だ」(続く)

70年代といえば、世界中で若者たちが起こした政治運動もハズせない時代。
ファッションが作られたその背景にも大きく影響したムーブメント。そこも若い読者に向けてきっちり説明している構成にも拍手を送りたい気持ちになりました。

「若者たちの反抗とロマンティシズムの時代」と題されたページ。


今年はパリコレでもテーマを「70年代」とした動きが特徴でした。GINZAの70年代テイストのファッションページもとても充実していることは言うまでもありません。



そしてこの号に感激したのはもうひとつ、「おとなのオリーブ」というタイトルの別冊付録が付いていることでした!

オリーブが創刊されたのは80年代になってから。14歳のときに創刊されたアンアンに多くの刺激をもらいながら過ごした十代でしたが、オリーブの時代は私はもう人妻であり、母でもあったけれど、
永遠に好きなガーリーテイストには毎号ワクワクしていました。

80年代リバイバルのファッションが特集されると、必ず、マイケル・ジャクソン的なギラギラになりがちだけど、肩の力の抜けたコットンベースのナチュラルなファッションも、とても人気だった80年代でした。そしてそのテイストを牽引していたのが雑誌『Olive』だったのです。


私の親しい友達でもあるエッセイストの酒井順子さんは、16歳の高校生のときからオリーブ誌上で「マーガレット酒井」の名前でエッセイを連載していました。
その酒井さんが当時を振り返って「オリーブスピリット」について語ってるページも。

80年代、テクノ的な「ぱっつんおかっぱ」がトレンドだった一方で、ナチュラルでルーズな髪形も人気だった時代。
80年代、時代はバブル期だったけど、頑張りすぎることはカッコ悪いと思ってる女の子たちも大勢いて、
オリーブに登場する女の子はみんな、そんな女の子で、柔らかい日差しが似合って、笑いすぎなくて、自然体で、それが都会的なセンスだった、そんなことも思い出しました。
オリーブテイストを「2015年風」にしたファッションページ。大好きなスタイリングです。



私の「70年代」のほうのサイトでも、私の70年代を回想したエッセイをアップしました。
http://www.nonnakamura-presents.com/relayessay/cafe/leon-non-nakamura/

これは、73年に雑誌『服装』に17歳の私が連載をもたせてもらったページです。
ちりばめられたイラストに、70年代の女の子にささったアイテムは、そうそう、こういうものたちだったよな〜と、他人事のように懐かしいです。