わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

古民家で過ごした夏休み@福井

イラストレーターの松尾たいこさんと代々木八幡のお惣菜スタンド「ウエトミ」で偶然バッタリ会ったのは8月の頭のことでした。
福井県にあるたいこさんの別荘の「目の前が海」それを聞いた途端、遊びに行かせていただくことにしました。

歴史的建造物や、旧き良き建物がどんどん取り壊されている今、「温故知新」は、私にとってここ数年の重要なテーマでした。
福井には一度も行ったことがなく、たいこさんが何故福井に別荘を持つことになったのか、ほとんど情報のないまま行くことになった初福井でしたが、行ってみたら、まさに私が魂レベルで望んでいた場所であり時間だったことを感じました。

これがたいこさんの福井県美浜の別荘の外観です。


そして、話に聞いていた通り、目の前が海!
しかも、お盆シーズンだというのに、誰もいない海!
なんとも贅沢な環境!


部屋に上がった途端、あまりにも好みなインテリアだったので上がりまくり!

たいこさんの明るい色調のイラストもよく似合っていました。


着いた途端、この物件をどうやって見つけたのか、誰がリノベーションしたのか等々、質問をしまくってしまいました。

リノベーションしたのは北山大志郎さん。この地域で生まれ育って今もこの土地で土建屋さんをやられている方。
お年寄りが亡くなって、古い建物が空き家のまま放置されたり、解体されてゆくことに心を痛め、持ち主に掛け合うことからスタートさせ、リノベーションしてその良さを分かる人に活用してもらうプロジェクトを立ち上げたそう。
古き良き部分を残して、今的な新しいセンスを取り入れる、まさに「温故知新」の素敵さに感動しました。


お風呂場やトイレも撮りまくって、たいこさんに笑われたけど、昭和な香りのするタイルやガラスをそのまま残し、水回り部分を機能的でシンプルにリノベーションされたセンスは、我が家もこんな風にしたいと思うほどでした。
ターコイズブルーの便器は、滞在中、使うたびに嬉しかった(笑)






業務用の厨房を入れた使いやすい台所は、見た途端、やる気満々になる感じ。



ダイニングテーブルは、小学校の図工室で使われていた物だそう。
椅子も小学校の椅子です。
家具もすべて大志郎さんにセンスで選ばれたものだそう。


昔のガラスって本当に可愛くて美しい。
昔の日本家屋って、今よりもずっと、遊びが施されていたんだなーと感じます。





庭にこんなものが残されていることにもほっこりしました。


今や建てようと思っても(建材がなかったり、技術者がいなかったりという理由から)建てられない、でも放置されたままだったり、消えてゆく運命の日本家屋は日本中、どの地域にもあることと思います。
行政がお金をかけて保存するほどでもない、でも景観的にも歴史的にも貴重な建物を、どう保存してゆくか、今にどう生かしてゆくか、それは、民間人である個人の思いがあってこそだと思います。
今回の福井の旅では、そんな思いを持った北山大志郎さんと出会えたことが大きな収穫でした。

東京で生まれ育った田舎のない私に、素敵な夏を過ごさせてくださったたいこさんに感謝いっぱい!

ウエトミでバッタリだった偶然にもサンキューです!

↑ここでの出会いが十日後にこうなりました!↓


また行きます!福井。