わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

渋谷のイメージフォーラムでの上映に続いて、渋谷のアップリンクでも『氷の花火 山口小夜子』の上映が始まり、初日の1月30日、上映後のトークに出演させていただきました。

アップリンクの上映情報 http://www.uplink.co.jp/movie/2016/42385

トークのお相手は、写真家の横木安良夫(よこぎあらお)さん。

横木さんは、1976年に、アートディレクター・横尾忠則さん、衣装・三宅一生さん、ヘアーメイク・川邊さち子さんで、世界的にもモデルとしてその人気がピークだった小夜子さんの撮影をされていて、その撮影現場でのエピソードを語られました。

「カメラ前に立つ小夜子さんは、言葉を一切かけられないほどのオーラだった」「でも、実際、彼女に言うことはなかったけど。彼女の動きはすべてに完璧だったから」と横木さん。

「小夜子がどういう人で、どういう私生活かなんてことにはまったく興味がわかなかった。実際、目の前にいて、直接接していても、小夜子は虚構の存在のままでいて欲しい。そんな感じだった」と、当時、小夜子さんと同い年の27歳の新進カメラマンだった横木さんは思ったそうです。

3時間、水に浸かりっぱなしで、最後は倒れたという小夜子さん。
「あの頃は、スタッフ全員が、命をかけて、ファッションフォトを制作していた」と言う言葉が響きました。


1976年といえば、私はまだアシスタント。いつか自分もそういう仕事をしたいと、先輩たちを眺めて、憧れていた時代でした。

私がトークに出演させていただいたきっかけは、小夜子さんとデヴィッド・ボウイについて書いたブログが、監督の松本貴子さんの目にとまったことがきっかけでした。
ですので、私は、そのことについて語らせていただきました。


アップリンクのロビーでは、小夜子さんの写真も展示しています。


また、大好きな小夜子さんを表紙にして、私が作った写真集『70’HARAJUKU』も販売していただいています。


これも横木安良夫さんが撮られた写真。
昨年春の東京都現代美術館で開催した「小夜子展」の会場に入って一番最初に展示されていた小夜子さんでした。



映画を観られ、トークショーにもご参加くださった30代のミュージシャン、持永知幸さんがフェイスブックに投稿されていた感想をご紹介させていただきます。
活躍していた頃の小夜子さんを知らない世代にも、小夜子という世界に誇る素晴らしいモデルが日本にいたことを知って欲しい、切にそう願っています。


【持永知幸さんの感想】

昨年、中村のんさんと出会えた事で山口小夜子さんの存在を知りました。

美しくも憂いを帯びた瞳の奥に、どこか寂しさを隠し持っている女性、写真の中で初めてみた山口小夜子さんはそんな第一印象でした。

山口小夜子さんのドキュメンタリー映画「氷の花火」
どうしても観てみたいと思っていたのですが、なかなか時間が作れずでした。。。
しかし、1/30@渋谷アップリンクの上映では中村のんさんのトークもあるというプレミア付きで、これは行かねば!!
という事で念願の「氷の花火」観てまいりましたV(^_^)V

動く山口小夜子さん、初めて見ましたが、これは見た人にしかわからないと思うんですが、「衝撃」!まさに「衝撃」でした!!

ランウェイの存在感、パフォーマンス、全てが衝撃の一言!

天才肌に見えて実は努力の人、これってどんなジャンルにおいても言える事だけど、誰にでも出来る事ではないし、本当の努力が出来るからこそ上に上がって行けるんだなと。。。

クリエイトに対しての向き合いかた、貪欲に吸収しようとする姿勢、それは
どこか寂しさを隠し持っているかのように見えた瞳の奥に、真の強さを持っているからこそ出来る事!!

山口小夜子さんの人生を学ぶには短すぎる時間でしたが、少しでも触れる事が出来て本当によかったです♪♪

                    持永知幸