わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

人と人から広がる輪

311を境に、日本中の誰ひとり残らず、悲しみに包まれ、無力感に襲われた日々を過ごしていたことと思います。
そして、「今、できることは何か」そんな問いかけを、自分自身にしなかった人はいないと思います。もちろん、私もその一人でした。
そして、そんな私を救ってくれたのは、同じ思いをもつ友人たちでした。

ツイッターでの会話をきっかけに始めた『アレクセイと泉』の上映会。
まさに、泉に小石を投げたら、そこから水の輪のように、人と人との輪が広がってゆきました。
4月29日、昨日は、代官山のトゥモローランドhttp://www.tomorrowland.jp/tomorrowland/本社ビルのホールで、第2回目の上映会を行いました。
さすが、ファッションブランドのホール。スタイリッシュな椅子が並んだだけの風景も素敵。(撮影:hanaさん)

開場した途端、あっという間に、立ち見のお客さまがでそうだったので、あわてて折りたたみ椅子を用意しました。(撮影:藤原ようこさん)

上映前の静かな熱気を背後に感じながら、一瞬、客席に座って、記念写真。(撮影:hanaさん)

私を含め、仲間達みんな、前回より、少しは慣れて、各自の係を全うすべく、キビキビ動けるようになってきたようでした。

笑顔の木内みどりさん。シックなスタイルに、赤い口紅が素敵。

集まったお金は、Think the Earth を通して、被災地への義援金とさせていただくことになっています。http://www.thinktheearth.net/jp/info/2011/03/-think-the-earth.html
Think the Earthの主催者、上田壮一さんにお金を手渡す木内みどりさん。(撮影:藤原ようこさん)


少しずつ、少しづつ、いろんな輪が、広がってく。。。。

次回の上映は、5月15日(日)14:30開場 15:00上映
またしても、トゥモローランド本社ホールです。

トゥモローランドの本社ビル正面のショーウィンドウに作っていただいた、アレクセイと泉のディスプレイの前で、「アレクセイと泉の会」のメンバー数人が集まって記念写真。(撮影:萩原收さん)



そして、上映が始まると、私は、青山円形劇場に移動しました。
『クミコ 松本隆の世界を歌う』コンサート。
11年前に作ったアルバム、『AURA』。クミコさんが松本さんと出会って初めて作ったアルバムであり、私がクミコさんと初めて関わったアルバム。
この中の12曲を一気に歌ったクミコさん。
奇しくも3月11日、石巻にいて被災したクミコさんは、「もう歌えないんじゃないか」というくらいの心境に陥ったと言います。
そんなクミコさんが、予定してた日を、一ヶ月、延期して行ったライブでした。「ステージでは、絶対に泣かないと決めた」と言うクミコさん。
松本隆さんの言葉たちが、11年前に比べて、より深く、よりドラマチックに、心に響き、客席で涙する人たちも大勢いました。

震災後、音楽もファッションも、一瞬、虚しいものに思えた私でしたが、音楽の力、歌の力、言葉の力を、伝えてゆくことの大事さを、まざまざ感じるステージでした。

終演後、はっぴいえんどのアルバムを持ってきて、松本さんに持ってもらって撮っていたお客さんの横から「お!これは、貴重なショット!」と、盗み撮りさせていただきました。
10代の頃、はっぴいえんどの詞に感動していた私が、今は、クミコさんのために書かれた詞に感動し、そして、その松本さんと縁をもててる、奇跡のような幸せ、そんな思いを噛みしめました。
ちょっとテレてる松本さん。トレードマーク(?)の、スレンダーな長身は、昔のままです。

ステージ衣装のまま、ホールに出てきて、お客様たちと会話するクミコさん。気さくな性格も、クミコさんの大きな魅力のひとつ。

感動を分かち合った同士で骨董通りの、バスク料理のレストラン、ローブリューへ。美味しいお料理、素敵な会話を分かち合ったあと、ローブリュー、9周年の手拭いを持って、最後に、みんなで記念写真。10周年、20周年と、続いていって欲しいお店です。
そして、10年後も、こんな風に、笑顔で記念写真を撮りたい、みんな、素敵な大人たちです。

人との繋がり、大事にしたい。
以前から思っていたこと、そして、誰もが昔から言ってたことだけれど、
その思いは、以前より、ずっとずっと、強くなってきています。
そして、それは、きっと、誰にとっても、そうだと思います。