わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

思い出がありすぎる。「表参道のヤッコさん」フェア@山陽堂

日本のスタイリストの草分けであり、私の師匠でもある高橋靖子さんが、
「表参道のヤッコさん」を出版しました。

表参道のヤッコさん (河出文庫)

表参道のヤッコさん (河出文庫)

数年前に、アスペクトから出した同タイトルの単行本
表参道のヤッコさん

表参道のヤッコさん

をかなり改訂して文庫化したものです。
(本文の中には、アシスタント時代の私も登場してます)

文庫の出版を記念して、表参道と青山通りの角にある山陽堂書店で「表参道のヤッコさんフェア」が行われています。覗いてきました。

3階のスペースは屋根裏部屋みたいで、ヤッコさんの部屋から持ち込まれたいろいろな思い出の品が展示されていました。
私が行ったとき、お客は私ひとり。主のいない部屋を、こっそり覗き見しているような気持ちになりました。

ヤッコさんという人を初めて知ったのは、17歳のとき、とても多感な時期でした。
あこがれて、あこがれて、最初は年の離れた友達同士になって、
それからアシスタントとして四年間の日々、共に時計を刻むように過ごし、
フリーになってからは事務所を共同で使い、
バラバラになってからも、お互いの人生を見守り合ってきました。
ヤッコさんとの関係や日々については、書ききれないし語りきれない。
本一冊(上下巻が必要?)書けるくらい思い出がいっぱい。

17歳の頃、ファッション雑誌でその存在を知り、あこがれたヤッコさん。その当時の写真。

アシスタント時代、大きな荷物を持って、毎日上り下りしてた静雲マンションの階段。

私がアシスタントだった頃のヤッコさんはこんな感じでした。これは出産後ですね。


ヤッコさんちの食卓で、私もざんざんお世話になった茶器たち。
ひとつ増えるたびに、「これ、可愛いでしょう!」「うわ!私も欲しい!」等々、会話してきたカップたちでもあります。人の持ち物なのに、あ、これは、あのときニューヨークで買ってきた物だ!とか、わかってしまう私です。

仕事のポラは、私にとっても共有する思い出のものがいっぱい!

私の元夫が、ヤッコさんに頼まれて、雑誌の企画のために作ったおもちゃ箱。撮影後は、ヤッコさんの息子の悠くんのおもちゃ箱に。
忘れてた。そういえば、そんなこともあったっけ。

若い頃、ヤッコさんから勧められる本は、全部、読んでました。だから、ここにある本のほとんどを私も持ってるな。
私の処女作「勇気をだして着てごらん」も並べてくれてる!うれしいな。

ひとつひとつ眺めながら、ヤッコさんと共有してきた時間、物、その膨大さに、胸がいっぱいになりました。
変な言い方だけど、こういう思いって、たぶん、相手がこの世からいなくなって、遺品を整理しながらとか抱く種類のものなんじゃないかな。
でも、ヤッコさんは、今も私の側にいる!
私以上に元気で、前向きで、未来にたいしてどん欲なまま。
これからもたくさんの時間を共有してゆきましょうね!

と、そんな私とヤッコさんのトークショーが、4月13日の18時半から山陽堂書店であります。
こちらのサイトをチェックして、お申し込みくださいね!
http://sanyodo-shoten.co.jp/index.html