私にとっての「アリス」、そして、谷川俊太郎さんのサイン
私が生まれて初めて買った写真集は、沢渡朔さん撮影の『少女アリス』でした。
正確には買ったというより、クリスマスプレゼントとして父にねだって、買ってもらったのでした。
1973年12月15日発行 第1刷 河出書房新社 2500円
布張りにも見えるカバー。写真入りの箱に入ったこの写真集は、今も変わることなく、私のバイブルであり、宝物です。この写真集の魅力については、ブログ一回分じゃとても語り尽くせません。なので、そこは割愛。
当時、私は17歳。ファッションにはとっくに興味をもっていたけれど、「写真のための衣裳」「撮られるための布」を意識するようになったのは、この写真集がきっかけでした。
と、同時に、雑誌の連載によって、スタイリスト第一号といわれていた「ヤッコさんこと高橋靖子さん」の存在を知り、彼女に憧れ、「スタイリスト」という職業に興味を抱き始めたのもこの頃。
その後、増刷されるたびに、買ってきた私。
現在手元には、1980年に第11刷として出版されたもの(3000円)と、1991年にがらりと装丁を変えて出版された初版(3900円)のと、三冊あります。
価格はもちろん物価の変動によるものだけど、最初に買った2500円のが、装丁がいちばん凝ってて豪華。
『少女アリス』に出会ってから約30年後、沢渡朔さんとお食事をする機会があり、そのとき写真集を持っていってサインしていただきました。全部持参したけど、
「最初のはこのままとっといたほうがいいよ」という沢渡さんのお言葉に従って、1991年版に。
そして、なぜ今になってこの写真集をブログで取り上げたかといえば、おととい(26日)詩人の谷川俊太郎さんにお会いする機会があり、この本の中に詩を書いてらっしゃる谷川さんにもサインをいただいたからです。
三冊全部持ってたけど、沢渡さんと同じ理由によって同じ本に。
私が最初に買った本を手にとって、「へー、凝った装丁だったんだねー。あ、装丁、堀内誠一なんだ、そりゃ、すごい。僕はこれ、持ってないなー。これは本当に貴重だね」と谷川さん。ますます宝物の気分が増しました!
谷川さんとお会いするチャンスに恵まれたのは、お孫さんの夢佳ちゃんと私が友達だから。夢佳ちゃんと知り合ったのは、2年半くらい前、荻窪のカフェ「6次元」で。今回、谷川さんとお会いしたのも6次元ででした。
スタイリスト志望だった夢佳ちゃんには、知り合った後、私の仕事を手伝ってもらったりもしてきましたが、21歳という若さで、現在スタイリストとして活動している夢佳ちゃんは、『アリスが谷川俊太郎に出会ったら。』というタイトルで、お祖父様である谷川さんとのコラボの本を、昨年、出版しました。
俊太郎さんと、お父様である音楽家の谷川賢作さんと夢佳ちゃん、三代で「思い出の軽井沢」について語っている対談も、とても興味深いページです。
先月、表参道の山陽堂書店のギャラリーで、この本をテーマにしたイベントを行った夢佳ちゃん。最終日に駆けつけ、記念写真を撮りました。
彼女と同じ年代だった頃、超ガーリー趣味で、文学少女でもあった私は、夢佳ちゃんと話していると、忘れていた事柄や忘れかけている気持ちを思い出させてもらえるのです。
30歳以上、年は離れているけれど、お互いに「話が合うね」と言い合える同士。
夢佳ちゃんとの縁も、アリスが繋いでくれたと言っても過言ではないような気がします。
私にとっての「アリス」おまけ。
これは家を建てたときに、写真家の安珠さんがプレゼントしてくれた、金子國義さんのアリスの絵。私の子どもたちである「双子の息子と、その妹である娘」を彷彿とさせる絵として、選んでくれたのでした。
そしてこれは、30年くらい前、デパートで見たとたん、衝動買いしてしまったイギリス製の木箱。
そして、デザイナーの故大西アツキさんの、今はなきブランドATSUKI ONISHIで、昔買ったアリス柄のバッグ。80年代だったかな?このとき、同じ柄のブラとショーツのセットやポーチも合わせて買った私でした。
私はもちろん、娘も使うことはないけれど、きっと一生持っていることになるであろうバッグです。
アリス関連の本やグッズは、他にもいろいろ持ってるけど、今日のところはここまで。
『少女アリス』は、2006年に「完全版」も出版されました。こちらも買わなくちゃ、私、ですわね。
- 作者: 沢渡朔
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/04/26
- メディア: 大型本
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