わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

過去と現在が交錯した、なんという濃い一日!

昨日のことです。

午前中は3時間、東京モード学園のスタイリスト学科で講義。
そのあと、ヘアーメイクのむとうさんと一緒に、レディスデイの恩恵にあずかって映画鑑賞。観たのは『わたしはロランス』
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斬新な映像の美しさ、ファッションの楽しさに3時間弱の長さもあっという間。
ゲイの苦しみ、ゲイを愛してしまった女性の哀しみ。愛の複雑さ。人生の重み。若干23歳(現在24歳)の監督が、この物語を繊細に描いたことに、まずは驚愕!

舞台となった1986年〜90年末期といえば、監督はまだ生まれていないか、ほんのお子ちゃまだった時期なわけで、けれど、この時代のファッション、空気感が、ものすごくリアルに再現されていて、この時代をよく知ってる、そして主人公たちとおそらく同年代である私としては、ストーリーはもちろんのこと、時代背景からも、胸に迫ってくるものがあったのでした。

映画館を出た足で向かったのは新宿伊勢丹
目的は、この日から一週間、本館4階で開催されてる「大人の女は美しい Back to 60'70'」を観るため。
私の師匠であるスタイリストの草分け、ヤッコさんこと高橋靖子さんのブース、高校からの友達、NY在住のカメラマン、マーク・ヒガシノの写真。6月に行ったロンドンでお世話になったデザイナー藭戸真知子さんの服や小物。丸山敬太さんの服。仲良しな人たちのコーナーがずらりとあって嬉しかった!

ヤッコさんのコーナー。

私がその存在を知って、夢中になってた頃のヤッコさん。70年代、T・レックスと。撮影は鋤田正義さん。

デヴィッド・ボウイの楽屋で。若き山本寛斎さんの姿も。

ボウイとヤッコさん。これも鋤田さん撮。

藭戸真知子さんがロンドンで買い付けてきたBIBAのヴィンテージもありました。貴重!

藭戸さんのオリジナルの服やアンティークのアクセサリーも、スウィンギングロンドンの匂いたっぷりでワクワク!

マークの写真は、60年代、世界でもっとも有名だったこの時代のアイコン、ツィギー!

ちょうど伊勢丹に来店していた真知子さんとバッタリ!思いがけずティータイムに。月曜日にロンドンから来たばかりの真知子さんと、偶然会えて嬉しかった!

伊勢丹をあとにして、下北沢へ。
夜は、高校からの親友であるスタイリストのえっちゃんと、20代からの戦友ともいえる男友達、ヘアーメイクの大村君と、久しぶりの会食なのでした。
同い年の三人、同じ業界で、同じ空気を吸ってきた三人。共通の知り合いもきりなくいて、話題は尽きない尽きない。。。

でもって、途中で、えっちゃんが、店の外に気に入ってるハンカチを落としてきたみたいだ、と言いだしたので、店の窓から外を覗いてみたら、
あれ〜〜!下を歩いてるのは雅美さんとなっちゃん
あわてて階段を駆け下りました。
雅美さん、なっちゃんとは、先週、江ノ島で一緒に最後の夏を楽しんだばかり。
ブライトンに留学してるなっちゃんには、今、夏休みで帰国中。ロンドンでもブライトンでもお世話になり、ロンドンでは真知子さんにお引き合わせしたりしていたので、「さっきは真知子さんと偶然、バッタリだったのよ」と言ったら、私との偶然だけじゃなく、そのことにも驚いてた。
驚く親子の図(笑)

それにしても、えっちゃんともどっぷり青春を過ごしてきた下北沢、開発のせいで、昔の面影がどんどん消え、何が何だか、わからないことになってきてます。近隣の駅に住んでる雅美さんとなっちゃんも、徒歩で家に帰ろうと思ったら、道に迷って、通るはずじゃない道を歩いているところだったとか。
でも、二人が迷子になったおかげと、えっちゃんがハンカチを落としたおかげで、もうすぐイギリスに帰っちゃうなっちゃんと遭遇できた予期せぬラッキー。
人生、色々、わからないものです。

60年代と70年代、そして、80年代と90年代、そして今。
いろーんな時代が、交錯して目の前に現れる濃くて不思議な一日でした。
どの時代も、自分の中にありありと生きていることを再確認することにもなった一日。