わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

Charは、永遠の「70’BOY」

感動がホットなうちにブログにアップします。(きっと長い文章になります(笑))


昨夜、私の地元のエコルマホールで行われたCharのライブに行ってきました。

ここ数年は、六本木のEXシアター、武道館、オーチャードホール、日比谷野音と、大きいハコでのチャーばかり観ていたので、最前列とステージが近いホールでの前から6番目で観るステージは、ライブハウスで観るような感覚で新鮮でした。
満席のお客さんたちは最初から総立ち状態!

首から胸に流れる汗もはっきり見えて、ギターを弾いてる姿は美しくカッコイイだけでなく、いつも以上にとってもセクシーでした。

70年代、流行りの盛り場で一緒に遊んでたこともあり、
そして、あの時代のスタイルをずっと保っているという点でも
Charは紛れもなく、私にとって「70’BOY」の象徴です。

昨日は、「気絶するほど悩ましい」「闘牛士」「ふるえて眠れ」「Shaining'you Shaining'day」「スモーキー」等々、70年代の名曲もふんだんにやってくれました!懐かしいだけでなく、新しいアレンジが新鮮でした。

そして、子どもの頃から仲良しのドラムのシータカさん(古田たかしさん)との子ども時代の思い出をリズムに乗ってない(笑)ラップで披露したコーナーでは会場を笑いの渦に。幼い頃を知ってる同士で、還暦を過ぎた今もこうして一緒に同じステージに立ってるって、音楽を通した友情って、なんて素敵なんだろう!と胸が熱くなりました。

サービス満点のライブを楽しんだあと、地元の友人たちを引率して(笑)楽屋に行きました。
2時間以上、弾いて歌って、あのパワフルなステージの直後とは思えない疲れ知らずのリラックスした様子で、私の友人たちも一緒に畳敷の楽屋に招き入れてくれました。

私とは暗黙のお約束のハグを(笑)

うまく言葉にできないけど、チャーのオーラに触れると、雲に乗かってフワフワと居心地のいい場所に連れてってもらえるような、そんな不思議な気持ちにいつもなります。

有名だけど、天才だけど、
ギターを置いたチャーは、有名ぶりも、天才ぶりさえも脱ぎ捨てて、どんな人をも緊張させない、「フレンドリー」という言い方でも足りないくらい、肩の力が完全に抜けた、人との間に壁を立てない、自然体のオーラを発しています。
それは私が知ってる70年代の若者の姿であり、街の雰囲気であり、あの時代の空気でもあります。
だから、若い頃の私が馴染んできたオーラを纏ったチャーの笑顔に触れると、自然と私も「あの頃」の気分に戻れることが心から嬉しい。

昨日のコンサートのMCで、
「オレはふたご座のAB型で、男三人兄弟の真ん中。本名の『竹中』の〝竹”は松竹梅の真ん中だし、〝中”は文字通り真ん中。Charも英語の「Charcoal」は、木でも炭でもない中間の炭のこと。だからオレは何でも真ん中(笑)」
なんて冗談交じりの語呂合わせを語っていたチャーでしたが、チャーの素を知る私にとっては、なかなか深い偶然のように思えました。

そう、「中道を歩む」、この言葉はチャーの人間性を表すのにピッタリな気がするのです。
長い間、華やかな世界に身を置き、日本のギタリストのトップと言われながらも、生まれ育った戸越の実家に今も住み、自身のレーベル名を「ZICCA」としていることからも、チャーがルーツを如何に大切にしているかを感じます。

前を向いて走り続けているけど、足元にはいつだって生い立ち的な、そして何より音楽的ルーツがしっかり根付いている。それがデビューしてから今に至るまで一貫してブレない活動の秘訣に思えます。


これは、私が作った写真集『70’HARAJUKU』に収めたチャー21歳のときの写真。

この頃のチャーから知ってる私ですが、外見にはいい意味での渋さが加わったものの、やんちゃでピュアで、自分が偉そうにすることも、人が偉そうにすることも嫌いな「みんな仲間でいいじゃん」的なマインドがずっと同じままなのは嬉しいし、人が(特に有名になったり成功した人物が)そうありたいと心掛けてもなかなかなれない、凄いことだとも思います。


昨日は、デビュー30周年のときに作った写真集を持っていって、11年ぶりにサインをしてもらいました。
『30styles&guitars』というこの写真集は、スタジオにチャーの何十台ものギターを持ち込んで、そのギターに合わせて、私が集めた服とチャーの私服と、膨大な量の服をコーディネートしてゆく、ハードだけど、忘れられない楽しい仕事でした。
サインをお願いしたら、「どのページが好き?」と聞いてくれたけど、「チャーが好きなページに」と言ったら、
「オレ、この写真、好きなんだよね。自分だったら絶対選ばないだろうって衣装も含めて」というわけで、30点の写真の中から、チャーが好きな写真にサインをもらいました。


この写真集を知らないファンの方のために、ここに本の一部を掲載します。



そして、久しぶりに開いたこの本のページに書いてあるチャーの言葉を。



「オレのファッションの原点は、やっぱり日比谷野音かもしんないね。当時の野音には、自分で洋服作ったり、逆に破いたり、ジーパンや髪の毛も自分でアレンジしたりしている、おニイちゃん、おネエちゃんがいっぱいたね。それを、カッコイイなあって思って見てた。オレもそういう刺激を受けつつ、自分なりにアレンジして着てたね。
60年代後半から70年代って、やっぱり基本はアンチユニフォームなんだよ。
オレはオレの似合う格好をするんだっていう。その延長線上に長髪だったり、ロックンロールだったり、ギターがあった。
世の中全体が、クリエイティブな方向に向かってたよね。
人類史上初めて、戦争以外のことで、ひとつの価値観を共有しようとした時代だったんじゃないかな。戦争っていうものが全くクリエイティブじゃないってことがハッキリわかって、じゃあ、本当のクリエイティブなことって何なんだ、って」


この文章のことはすっかり忘れていたけど、
『70’HARAJUKU』を作った私の動機&思いと、ものすごく共通するものがあって
あー、やっぱり魂の仲間だなーと(笑)あらためて胸が熱くなりました。


昨日は、コンサートが終わったあと、物販コーナーで、チャーのオリジナルTシャツを買いました。ボートネック気味の襟ぐりも、タイトな作りも、丈が長めなのも、すごくいいと思う。そして何よりも「SINCE 1976」がいい!


昨年、2015年に日比谷野音で行われたフリーコンサートのDVDも発売中。
野音は原点」といつも言ってるチャー。そして、チャーならではのフリーコンサート。私はもちろん行ってましたが、うんと年下のギター少年とのやりとりにチャーの人柄が全面的にでてるとても素敵なライブでした。


Rock Free Concert-Live at Hibiya Open-Air-Concert Hall-(BRD) [Blu-ray]
Rock Free Concert-Live at Hibiya Open-Air-Concert Hall-(BRD) [Blu-ray]
どちらも www.zicca.net から買えます!


2年前のちょうど今頃。私がやったイベント『70's 原風景 原宿』のトークにでてくれたときのチャーとのツーショット。
あれからもう2年、早いな。
でも、考えてみれば、色々あったけど、お互い二十歳で初めて会ってからの今日までだって、ひとっ飛びの速さだったような気もします。


「オレは過去を振り返らない。前しか見ない」と言う人がたまにいるけど、
そんなことはないだろう。人はそんな風には生きられないものだから。と、そういう言葉を聞くたびに思ったりします。
だって、「今」は過去があるからこその「今」だし、「未来」は、その過去を全部連れての未来だから。大事なのは、やってきた過去に感謝をもてるかどうかなんじゃないかな。なんて思う私にとって、チャーは本当に、出会ってきた過去のすべてに感謝しながら生きてるような人な気がします。(もちろん、そんな気障な台詞を語るチャーではないから、勝手な私の想像ですが)


初めて会った日の一枚しかない貴重なポラロイド。チャー21歳、私、二十歳。
誰が撮ってくれたのか今や記憶にもないけど、撮ってくれた人にも、そして、チャーに出会えてることにも感謝します。