わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

キャロルのウッチャンのサイン!にキャー!

2ヵ月以上もブログを怠けてしまいました。何もないからではなく、感動することや楽しいことがありすぎて追いつかなかった(笑)

そんな中でもスペシャルなことが起こったので、書かずにはいられない気持ちで久しぶりにページを開きました。



キャロル解散は1975年のことでした。
1972年12月にシングルデビュー。
翌73年3月に発売されたファーストアルバム『ルイジアンナ』で若者たちの心を鷲掴みにした。
篠山紀信が撮影した、黒い革の上下を着たメンバー四人の圧倒的な存在感、音も、歌声も、「時代を象徴するバンド」となるにふさわしい魅力とエネルギーに溢れていた。鮮烈なデビューからわずか二年半の活動だったが、これほど私を夢中にさせてくれたバンドは、後にも先にもないと言えます。

既に人気のメジャーバンドだったキャロルが、「東のキャロル、西のファニカン」と言われていた桑名正博がヴォーカル&ギターを務めるファニー・カンパニー(このバンドも活動期間はたったの三年だった)と共演したステージを観たのが、新宿伊勢丹デパートの屋上だったという記憶が、あの時代を彷彿とさせる。


今なお伝説として語り継がれている1975年4月13日に日比谷野音で行われたラストライブで、興奮してステージに駆け上がろうとしたところを、警備にあたっていたクールスのメンバーに押し返されて悔しい思いになったのも今ではいい思い出だ。
アンコールが終わったあと、演出効果として使われていた爆竹からのアクシデントでステージが炎上したハプニングは、「ひとつの時代の終焉の象徴」とも言われているが、このとき19歳だった私は、「CAROL」の大きい文字が吊るされた、メンバーが立ち去ったステージに、はらはらと火の子が落ち、煙が上がってゆく様を茫然と見つめながら、自分の青春が終わった気持ちになって泣いていた。


私にとってのそんなキャロルのギター&バックヴォーカルだったウッチャンこと内海利勝さんと9月26日にお会いすることになったのです!

友人であるクールスの元ベースのキイチさん(大久保喜市)が、ウッチャンのかわさきFMの『内海利勝Love&Peace同じ空の下から』にゲスト出演するから遊びに来ない?と誘ってくれたのです!

ウッチャンに会える!前の日から高校生に戻った気分でドキドキしました(笑)
1973年に買ったアルバム、2枚を(サインをもらうために)持って行くことにしました。

「私の青春はこれで終わった」と泣いた日からなんと45年後、まさかのサインをもらえることになるとは!
長く生きててよかったな〜♪
キャロルをずっと好きでいてよかったな〜♪
と、心底思えた日。


キャロルのメンバーの中で唯一、育ちがいい(笑)雰囲気だったウッチャンは、母性本能をくすぐる、はにかんだ感じの笑顔が魅力的な、当時十代だった私から見ても「カワイイ」最年少でした。
ステージを思い出すと、ギトギト脂ぎった、汗の匂いがするメンバーの中で、清涼な水のような存在感でもあったな。

そんなウッチャンは、直に話してみると、とてもおおらかな、優しい笑顔が魅力的な、とーっても素敵な中年紳士になっていました。
清涼な水のような若者だった人が、あれから45年経っても、業界に長くいる人に付きがちな「アク」のようなものが、まったく付いていない、相変わらず「きれいな佇まい」だったことに、なんか、とても感動しました。
会った途端、「お久しぶりです」と手をさし出してくれ、たしかにお久しぶりではあるものの、あちらはステージの上の人、こちらは、客席で黄色い声を上げているだけだったのに(笑)。

私が作った写真集、『70’HARAJUKU』を持っていただいてもいいですか?とドキドキしながらお願いしたら「もちろん!」と。
キャーーーー!タイムマシンに乗って、17歳のときの私に自慢しにゆきたい!(笑)


私の師匠であるスタイリストの草分けであるヤッコさん(高橋靖子)は、キャロルが出演した山本寛斎さんがパリで行ったファッションショーでスタイリストを務め、映画『キャロル』のスタイリストもやっていました。
私はその直後にヤッコさんにファンレターを送り、友達になり、そしてバイトとしてヤッコさんのアシスタントに就くことになったので、一般のファンが知らない現場でのエピソード等もヤッコさんから聞いていました。
「ヤッコさんは元気?」と言うウッチャンと、そんな話もちらっとできたことも嬉しかった。
キャロルとのエピソードはヤッコさんのこの本にも書かれています。

時をかけるヤッコさん

時をかけるヤッコさん


ウッチャンとキイチさんがトークするところを横で見ていました。
曲がかかっている間に二人が、キャロルとクールス時代の思い出をフランクに語り合ってる場面を横で見てるなんて、原宿レオンでよく見かけてたクールスも雲のような存在だった当時の私からすると夢のような出来事です。
音楽の話題になると、少年のような顔になる二人でしたが、横で見てる私もきっと少女の頃の表情になっていたことと思います(笑)



スタイリストという仕事柄、有名な芸能人やミュージシャンには山ほど会ってきてるし、友達にさえなってきてるけど、十代の頃に夢中になってたアイドルと会えることは、格別の嬉しさであり、ミラクルとも思えるほどの出来事です!


キャロルの中で一番背が高かったウッチャン、クールスの中で一番背が高かったキイチさん、二人とも60を過ぎた今も素敵な佇まいです。

クールス時代の70年代の原宿、青山、赤坂を舞台として大久保喜市さんが書かれた実体験に基づいた小説『ストレンジ・ブルー プラス』(DU BOOKS)は2刷が発売されたばかり。
こちらから買えます!

ストレンジ・ブルー プラス 70年代原宿の風景とクールス

ウッチャンに会わせてくれたキイチさんに、心から感謝!


ウッチャンについて、今年のウッチャンのお誕生日(2018年5月30日)に書かれたこちらも参考として貼っておきます。

http://www.1242.com/lf/articles/106394/?cat=entertainment&feat=music_calendar