わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

笑わない少女たちー網中いづるさんの個展

7月27日、イラストレーター網中いづるさんの個展「So many memories」に行きました。
代官山の旧山手通り沿いのビルの地下にあるギャラリーの外階段を降りてゆくと、
ガラス越しに、待ち合わせしていた酒井順子さんが、絵の前で佇んでいる姿が見えました。
たくさんの絵が飾られた壁と、酒井さんがこの日着ていた服のプリントと、酒井さんの佇まいと、夕方の光が、まるで仕組まれたようにマッチしていて、会場のドアを開けた途端、挨拶もそこそこに、
「酒井さん、そのままで、こちらを振り返って!」と声をかけて、思わずカメラを取り出してしまいました。

網中さんの描く絵は、私にとって、大好きな映画『ヴァージンスーザイズ』と同じ世界観に思えます。絵の中の少女たちは、けして元気はつらつではない。
どこか物憂げで、消え入りそうな透明感があって、とらえどころがなく、スイート。
女性なら、誰にでもある「少女の時代」。少女たちが内面的にもっている少女ならではの独特の気分を、網中さんの絵は、的確に表現しています。
それは、時代がどうであれ、少女たちの外見が、流行によって、どう左右されようが、少女たちがもつ、普遍的な世界なのです。

「たゆたう」、そんな言葉も似合う世界です。

網中さんの絵には、バレエを題材にしたものも多くあります。
バレエを習っている少女たちの世界が、少女が凝縮された独特の世界であることを、娘に4歳から14歳までバレエを習わせていた私にはわかります。
甘くて、きらびやかで、ストイックで、ちょっと怖い世界。


酒井さんは、ご自身の本のために描かれた絵を2枚お買い上げしました。
酒井さんにとって、最高のお買い物であると同時に、網中さんにとっても、最高の人の手に渡ることになったわけで、素敵なこと!

会場で売られていたグッズの数々は、さすが、イラストレーターになる前は、ユナイテッドアローズにいた網中さん!というセンスのものばかりでした。
ちょうちん袖の白いブラウスの網中さん。レトロなスタイル、可愛い!

GALLERY SPEAK FORで、8月3日まで。
女性はとくに必見です!

http://blog.galleryspeakfor.com/?eid=447931