わたしと明日のおしゃれなカンケイ

スタイリスト&エッセイストの中村のんの日々、印象に残った出来事。

『もうひとつの内藤ルネ展』のレセプションに、行きました。

サンリオなんかなかった私が子供だった頃、親にねだったり、お小遣いで買って、ひたすら集めていたのは、内藤ルネさんの雑貨でした。(水森亜土さんの物も集めてたな)

会場に一歩、足を踏み入れた途端、子どもの頃の憧れ世界に一気にワープ!
思わすしゃがみこんで、お人形を眺めてしまいました。

「ルネのお部屋」と呼びたい会場の作り。
白い家具も、ロココ調のカウチも、フリンジのついたランプシェードも、まさに、夢みるお年頃の時、憧れだった調度品。




ああ、どの絵にもうっとり。
あー!この絵、憶えてる〜〜!とか、声を挙げながら眺めてしまいました。


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スケッチも見れて感激!

通路の壁に描かれていた絵も素敵でした。


子どもの頃、近所の手芸店で売られていたルネのグッズ。ガラスのウィンドウの中に飾られていたそれらを眺めて、買えなくてもウキウキしている私でした。その頃の気持ちを思い出すグッズに、ワクワクと同時にじーん。。。

このイギリスの兵隊さんは、お誕生日会のとき、クラスの子からプレゼントされて持ってたんだけど、いつ、誰が、どこにやっちゃったのかなあ?


会場の入り口にあったお花も素敵でした!

MILKとルネさんは、私の中ではとくに、切っても切り離せない関係。


子どもの頃はずっと、「内藤ルネ」という人は女性だとばかり思ってた私が、男性だと知ったのは、十代後半。
同時に『薔薇族』というホモ雑誌のカバーを書かれていたルネさんが同性愛者だと知ったのもその頃でした。
カバーの絵欲しさに、うら若き乙女の身で『薔薇族』もたまに買っていました。
同性愛の美少年たちが主人公の少女マンガも大好きだった私にとって、そのジャンルのマンガと、ルネさんが描く世界も切り離せないものでした。高校の頃、ジャン・ジュネや、ワイルドの小説に夢中になったのも、子どもの頃、ルネワールドが大好きだったことと繋がってるのかなと、ふと思ったり。


こんなにスイートでカワイイ、夢のような世界を描くルネさんが、実人生でどれほどの苦難を味わってきた人かということを知ったのは、つい数年前、ルネさんの自伝を読んでのことでした。
同性愛者としての苦しみ、人に騙され裏切られ、多大なる借金、病気…そういった背景がありながら描いた絵と思うと、単に「カワイイ!」だけでない深いものを感じます。

内藤ルネ自伝 すべてを失くして―転落のあとに

内藤ルネ自伝 すべてを失くして―転落のあとに


会場で、ルネ・プロ(株)を主宰されている本間義春さんが取材を受けていました。
横で覗き見ていたら、「ルネさんはとにかく、カワイイ!カワイイ!と、何にでも、カワイイって言葉を使ってましたね。当時としてはあまりなかったことだけど、男の人にもカワイイ!って。ルネさんは、『Just My Tipe!』ってときに『カワイイ』を使ってたんですよね」と言う言葉が印象に残りました。



増田セバスチャンが見つけた「もうひとつの内藤ルネ展」Roots ofカワイイ
5月17日〜6月4日まで。 渋谷パルコパート1 パルコミュージアムにて
24日19時〜増田セバスチャンのトークショー
27日14時〜前田みのる×本間義春×増田セバスチャンのトークショー

昔、ルネさんと親しいみのるちゃんから時々、ルネさんの話を聞いてた私は、もちろん、みのるちゃんのトークショー、見に行きます!